日本財団 図書館


 

3. 施工実績
3−1 施工能力
平成6年度および平成7年度における施工実績では、割増率と施工能力は以下のような結果であった。
?割増率(NET数量/使用数量)平成7年度実績
浚渫土(SCP盛り上り土)・・・・・・・・・32%
プレミックス土・・・・・・・・・33%
固化材(高炉セメントB種)・・・・・・・・・40%
?施工能力
平成6年度実績 1日当たり・・・・・・・・・・1,045m3/日
1時間当たり・・・・・・・・・・195.6m3/時間
最大打設量・・・・・・・・・・1,952m3/日
平成7年度実績 1日当たり・・・・・・・・・・1,011m3/日
1時間当たり・・・・・・・・・・113.4m3/時間
3−2稼動分析
作業日報より稼働率および作業能力を分析すると以下の表-2の結果となった。

Table.2 Operation Time Analysis

229-1.gif

4. 施工管理
4−1 出来形管理
打設時の出来形管理は、随時「施工管理システム」を使用して改良土の打上がり高さの計測を行い、また、打設前の水深の計測、打設終了後の水深(出来形)もこのシステムを使用して計測を行った。出来形検査要領で打設1工程に1回の測深を行い、1工程当たりのサイクルタイムは22〜27分程度要した。また、日々の出来形管理は1区間(延長方向50m程度)完了時に全断面の計測を実施する。
打設形状は、法肩部の法勾配では比較的急勾配であるが、法先に向かってた緩勾配の傾斜を呈する。法勾配は、法先部で一部改良土の流出があったものの、全体として平成6年度では1:2.6程度、平成7年度では1:2.5程度で仕上がっている。(図−9参照)

229-2.gif

Fig.9 Example of Completed Cross-Section

4−2 品質管理
PMCの配合管理は、プラント船に装備されている各計量器(混合撹拌計量装置、セメントスラリー計量器等)で計測され、改良土の所定の配合が管理される。配合設計は、埋立時に設計上(弾性床上版の検討及びFEM解析)必要とされる固化強度(一軸圧縮強度)に加えて、打設初期に滑り破壊を生じないような強度発現が必要となる。設計検討で必要とされる基本物性値は主に一軸圧縮強度(qu)であるが、qu=5kg/cm2(プラント船上)が、本工事での品質管理基準値となった。一般に事前混合処理した改良土を現場打設する場合、対象土(浚渫土土)の物性値のばらつきや混練り状態の善し悪し、また試験の測定誤差などによって改良土の固化強度がばらつきを示す。従って、配合設計では必要とする所定の固化強度を確保するために、各要因間のばらつきを加味した安全係数(固化強度比:qul/quf)を設けることが一般的である。固化強度比に関しては概ね経験に基づくものであるが、今回の配合計画では過去の実績を踏まえてqul/quf=2が採用された。現場打設では、対象土の性状のばらつきが品質管理の精度に対して重要な要因となることは周知であり、特に対象土の粒度分布(砂分含有量)や含水量のばらつきは固化強度の発現に対して大きな影響を与える。過去の実績でも特に含水比が固化強度に高度な有意性を示していることが明らかにされている。今回使用した対象土の粘土分布は比較的均一で、全数量を同一エリアから採取できるので品質の安定した改良土を打設するために、固化強度に影響を与える要因を一元的に含水比とみなして管理した。対象土の変動性(含水比)に対する対処方法は、使用固化材に対する水分の絶対量[水分負荷:LW=(原土の保有する水分+スラリーから持ち込まれる水分)/固化材の重量]が7〜8程度になるように配合管理(スラリーの製造管理)を行い、固化強度のばらつきを抑えることに努めた。事前の配合試験で固化強度と水分負荷の関係(図−10参照)を調べ、本工事では固化材添加量と水セメント比(W/C)の関係を示した配合管理図(図−11参照)を用いて強度管理を行った。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION